内容紹介
思いやりを大事にする「良識的」な人が、差別をなくすことに後ろ向きである理由とはーー。 「ジェンダー平等」がSDGsの目標に掲げられる現在、大学では関連の授業に人気が集中し企業では研修が盛んに行われているテーマであるにもかかわらず、いまだ差別については「思いやりが大事」という心の問題として捉えられることが多い。なぜ差別は「思いやり」の問題に回収され、その先の議論に進めないのか? 女性差別と性的少数者差別をめぐる現状に目を向け、その構造を理解し、制度について考察。 「思いやり」から脱して社会を変えていくために、いま必要な一冊。 「あなたの人権意識、大丈夫? “優しい"人こそ知っておきたい、差別に加担してしまわないためにーー。 価値観アップデートのための法制度入門!」--三浦まり氏(上智大学教授)、推薦! ◆目次◆ 第1章 ジェンダー課題における「思いやり」の限界 第2章 LGBTQ課題における「思いやり」の落とし穴 第3章 「女性」vs.「トランスジェンダー」という虚構 第4章 ジェンダー課題における制度と実践 第5章 LGBTQ課題における制度と実践 ◆著者略歴◆ 神谷悠一(かみや ゆういち) 1985年岩手県生まれ。 早稲田大学教育学部卒、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。 LGBT法連合会事務局長、内閣府「ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループ」構成員、兵庫県明石市LGBTQ+/SOGIE施策アドバイザー。 これまでに一橋大学大学院社会学研究科客員准教授、自治研作業委員会「LGBTQ+/SOGIE自治体政策」座長を歴任。 著書に『LGBTとハラスメント』など。
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みんなの引用・メモ
- 引用p.52
そもそも「人権教育・啓発推進法」は、人権一般を扱うほとんど唯一の法律ですが、教育・啓発を実施するための行政の体制整備以外のことは規定がなく、実際の権利の保障には至っていないという致命的な課題があることも、他に人権一般に関する法律がないことと併せてこのような状況になっている一因でしょう。 (中略) 本説冒頭にあげたように、「権利、権利と主張しすぎ」とか「差別がどうとか、もう十分」などと言われることもありますが、むしろ、ほとんど法律がなく、守られたり、保障されたりする分野がとても少ないのが日本の現状です。どこかで「何かあったら訴えればいいや」と思っている人には、訴えたとしても認められないという事実にも目を向けてほしいと思います。
Bびー2026年8月12日