〈無調〉の誕生

楽譜

〈無調〉の誕生

柿沼 敏江

株式会社音楽之友社 · 2020年1月22日 · 336ページ

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内容紹介

「現代音楽」とセットで語られることの多い「無調」は実在したのか? 「無調」という言葉に作曲家や音楽評論家は何を託そうとしたのか? 古典的な調性システムから離れた音楽は、時間軸をどこに求めたのか? 「調性の崩壊」という言葉でくくられがちな20世紀以降の音楽に本当は何が起こったのか? 音の縦の関係性、すなわちピッチと和声、音階や旋法に関連する問題を中心に、音楽史の再考を迫る画期的な論考。書き下ろし。「調性がなく、ひたすら難解で、聴くと頭が痛くなる音楽が現代音楽だ」と思い込んでいる人にこそお勧めです! プロローグーードミナントなき時代 第一章 「無調」とは何だったのか 無調という語/無調とは? 第二章 シェーンベルクを読み直す 『シェーンベルクの誤り』/シェーンベルクの信念/単一調性(モノトナリティ)/調性とジェンダー/ゲーテの原植物 第三章 無調と調性の間 浮かび上がる調性/一二音音楽における調性 第四章 無調と調性の修辞学 非芸術〜狂気/調性の死/不気味/自由・解放/無調と革命/誠実さと倫理 第五章 クルシェネクの「転向」(無調の政治学1) 政治的芸術/《カール五世》への道/アドルノとの往復書簡/《カール五世》と一二音技法/独自の一二音技法/一二音技法と調性/ローテーションと旋法/避難所としての一二音技法 第六章 もうひとつのダルムシュタット(無調の政治学2) 前衛音楽批判/結節点としてのゼロ時/ヘルマン・ハイスと一二音技法/ヘルベルト・アイメルトと無調音楽/ゴリシェフ、フーイファールツとセリアリズム/創られたウェーベルン像 インテルメッツォーーニコラス・ナボコフと「無調」 第七章 隠れた水脈ーー八音音階という魔術 半音階と全音階の狭間/全音音階/オクタトニック(八音音階)/媒介する音階/オクタトニックと半音階/移高の限られた旋法/オクタトニックと日本の現代音楽/オクタトニックとスペクトル、ポスト・スペクトル楽派/オクタトニックと実験音楽、ジャズ 第八章 調性の回路 調性批判ーーシベリウス問題/人々のための現代音楽ーーハンス・アイスラー/軽いクラシック(あるいはダダとしての調性)--クルト・シュヴェルツィク/「ポスト」の美学(あるいは追伸としての音楽)--ヴァレティン・シルヴェストロフ 第九章 音律と倍音がつくる世界 一二平均律からの逸脱ーー三分音と四分音/純正律にもとづく調性ーー田中正平、ハリー・パーチ/倍音への眼差しーーシュトックハウゼンとリゲティ/スペクトル音楽と「無調」/倍音の広がりーーテニー、ラドゥレスクほか 第十章 時間の軌道 時間軸をつくるもの/物語の痕跡ーーシェーンベルク、ペンデレツキ/エピソード的な時間ーーサティ、ストラヴィンスキー、フェルドマン/時間の幾何学ーーセリアリズムとスペクトル音楽/循環する時間ーーパッサカリアと平方根リズム構造 エピローグーー中心のない現代 あとがき 参考文献 注

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