歌うサル = Singing Apes : テナガザルにヒトのルーツをみる

科学・技術

歌うサル = Singing Apes : テナガザルにヒトのルーツをみる

井上 陽一/岡ノ谷 一夫

共立出版 · 2022年2月 · 共立スマートセレクション 37

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内容紹介

高校の地学教師であった著者はふとしたきっかけでボルネオの原生林に行き,テナガザルの歌を聞いた。その歌に魅力を感じ解読しようとした結果,気がつくと20年間も野生テナガザルを追跡することになった。また,動物園で出会ったテナガザルがあまりヒトによく似ていることに驚き,その認知について様々な実験観察を通してヒトとの比較を試みた。最終的には,小型類人猿であるテナガザルを通して,ヒトのルーツを問う。 テナガザルの歌の特徴やヒト言語との類似,テナガザルの隣人関係について述べながら,コーディネーター岡ノ谷先生が提唱する「言語の歌起源説」に迫る。熱帯雨林でのフィールド調査はどのようなものなのか,ボルネオテナガザルはどのような生活をしているのか? テナガザルの歌はどのような特徴があり,何か意味があるのだろうか? テナガザルはどのような能力をもっているのか? 著者の疑問とともに,臨場感を味わいながら読み進めていくことができる。 1 テナガザルを追いかける 1.1 調査地はボルネオの原生林 1.2 空を飛ぶテナガザル 1.3 テナガザルは早寝 1.4 調査の1日 1.5 テナガザルのくらし 2 豊かな実りの中での歌・遊び・グルーミング 2.1 一斉結実の森 2.2 睡眠時間を減らしよく動く 2.3 よく歌う 2.4 よく遊び,よくグルーミングする 2.5 生殖目的でない交尾行動 2.6 命を支えるイチジク果実 3 インバックキャニオン保護区での調査 3.1 ダナムバレーとの違い 3.2 クリ調査小屋 3.3 象との遭遇 3.4 オランウータンがいない 3.5 雌が消えた 4 歌で関わりをもつ 4.1 テナガザルの歌 4.2 雄のソロ 4.3 デュエットの連鎖 4.4 鳴き交わし 4.5 歌以外の音声 5 歌の特徴 5.1 状況によって変わる歌 5.2 意図的に音を選んで歌う 5.3 音配列と歌の意味 5.4 一斉結実期に歌は変化したか? 5.5 歌に挿入構造がある 6 子の発達 6.1 子の成長と母子間距離 6.2 父の子育て 6.3 雌の音声発達 6.4 雄の歌(ソロ)の発達 6.5 鳥の歌とテナガザルの歌との違い 6.6 親の教育 7 ヒトと似ている 7.1 二足歩行と苦手な泳ぎ 7.2 道具使用の観察 7.3 落とし穴課題 7.4 相手に気づかれないように食物を取りに行く行動 7.5 視線による指示を理解できるか 7.6 心の理論の実験 7.7 自発的な食べ物の手渡し 7.8 ヒトの原型となる知性の背景 8 寛容な隣人関係 8.1 縄張り境界で何が起こったか 8.2 縄張り侵入事件 8.3 平和な社会 付 録 引用文献 あとがき 情熱の人(コーディネーター 岡ノ谷一夫) 索引

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