アジア映画とは何か

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アジア映画とは何か

四方田犬彦

みすず書房

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内容紹介

「アジアの少なからぬ地域では一党独裁や軍事政権、非寛容の政教一致が人々を不当な抑圧状態に置いているため、一見したところ何もかもが自由なように見える日本に比べ、はるかに困難な状況のなかで人間が生きることを強いられている。ではわれわれはなぜ、そのようなより過酷な生活から生まれてきたアジア映画を観ようとするのか。それは端的にいって、自分たちよりも強い人間を見たいからである。アジア映画がわれわれに訴えかけてくるのは、それが娯楽アクションであれ、メロドラマであれ、近代史を批判する社会派作品であれ、そこには自分たちよりもはるかに強く忍耐と寛容に満ちた人間たちの生き方が描かれているからに他ならない。強い悲嘆を知る者は、同時に強い歓喜を体験できる者でもある。困難な社会のなかで自分たちとはいったい何者であるかという問いを間近に突きつけられ、それに真剣に答えようとする人間が描かれているとき、そのフィルムは思いがけない強度を獲得する。よく探求する者はより大きな自由に到達する。より深い心の慰めを体験する。」(「アジア映画を観るということ」より) 過剰なまでの混沌と豊饒に魅惑されつづけた、60年に及ぶ身体的思考の集成。 アジア映画とわたし ●方法論的文章 アジア映画論序説 「アジア映画」の「アジア」とは何か アジア映画を観るということ アジア映画に接近する、いろいろな方法 ●2010年以降の映画評 リティー・パニュ『飼育』 婁華『二重生活』 ハニ・アブ・アサド『オマールの壁』 タルザン&アラブ・ナサール『ガザの美容室』 モーリー・スリヤ『マルリナの明日』 キム・ギドクを追悼する チャン・タン・フイ『走れロム』 リム・カーワイ『COME & GO カム・アンド・ゴー』 インドネシアに怪奇映画の花が咲き誇る 『怪奇映画天国アジア』から10年 台湾映画と言語のヘゲモニー 『記憶の戦争』の余白に 金大偉『大地よ』 李長鎬『馬鹿宣言』 ファム・ティエン・アン『黄色い繭の殻の中』 ●アジア映画をめぐる書物 韓燕麗『ナショナル・シネマの彼方にて』 三澤真美恵編『植民地期台湾の映画』 笹川慶子『近代アジアの映画産業』 晏妮『戦時日中映画交渉史』 李瑛恩『朝鮮国民女優・文藝峰の誕生』 ●映画日誌 ソウル 1979 ピョンヤン 1992 テルアヴィヴ/パレスチナ西岸 2004 ハバナ 2014 アンタナナリヴォ 2015 ワガドゥグー 2017 山形 1989-2023 アジア映画馬鹿一代ーー石坂健治との対話 後記 初出一覧

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