絵画は小説より奇なり

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絵画は小説より奇なり

小野寺 玲子/石井 朗

ありな書房 · 2022年10月20日 · 324ページ

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内容紹介

「事実は小説より奇なり」──人口に膾炙したこのフレーズの起源は、イギリス・ロマン主義の詩人バイロンであるらしい。美貌の少年ジュアンの女性遍歴を軸に展開する未完の長詩『ドン・ジュアン』第一四巻において、人生を破滅に導く危険な情事は、すべてほんの些細な偶然から始まる、それは不思議ではあるが本当のことであり、本当のことは作り話より不思議なのだ、と語られる。それから七十数年後、アメリカの小説家マーク・トウェインは次のようなウィットに富んだ格言を導いた。「事実は小説より奇なり。しかしそれは、小説は起こりそうなことに終始しなければいけないが、事実にはその必要がないからだ」。そして……「絵画は小説より奇なり」──一八世紀後半から一九世紀末にいたるさまざまな作品について、その不思議を論じてきたが、……この時代の動向をより複眼的にとらえると見えてくる──イギリス絵画の不思議と驚きが! トマス・ゲインズバラの描く少年の衣裳とモデルの謎の、ウィリアム・ブレイクの中世彩飾写本の、リチャード・ダッドの描く奇矯な妖精たちの、J・M・ホイッスラーのヴァーチャル・リアリティの、バーン = ジョーンズの描く哀しきアンチヒロインの、スペンサー・スタナップの「人生の二つの危機」の、オーガスタス・エッグの描く純愛と快楽の旅の、近代都市ロンドンを明るく暗く彩る花売娘の、イギリス近代の絵画表象の……中へ! プロローグ 絵画というフィクション 第1章 《ブルー・ボーイ》とは何者か──トマス・ゲインズバラの「ファンシー・ポートレート」 第2章 装飾の喜び──ウィリアム・ブレイクと中世彩飾写本 第3章 リチャード・ダッドの見果てぬ夢──シェイクスピアのファンタジーを追って 第4章 一八五九年のヴァーチャル・リアリティ──ホイッスラー初期のテムズ河風景 第5章 アンチヒロイン偏愛──バーン = ジョーンズ《シドニア・フォン・ボルク》 第6章 スペンサー・スタナップとラファエル前派──「人生の二つの危機」をめぐって 第7章 無垢とエロスの合わせ鏡──オーガスタス・エッグ《旅の道連れ》考 第8章 ロンドンの花売り娘──近代都市の表象となるまで エピローグ イギリス絵画のワンダーランド 註 人名索引

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