人文・思想・社会
西南戦争と自由民権
小川原 正道
慶應義塾大学出版会 · 2017年7月15日 · 248ページ
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内容紹介
ペンか、剣かーー。 明治初期における 反政府運動の模索と葛藤。 明治10年、鹿児島において、西郷隆盛を中心とした不平士族が反乱を起こす。このとき、もうひとつの反政府勢力の一大拠点・高知では、板垣退助率いる立志社が西郷に呼応して決起するのではないかと思われていた。西南戦争を契機に、日本はふたたび混乱に陥るのではないかーーこの可能性に、政府は動揺する。しかし、板垣は起たなかった。それはなぜだったのだろうか。 本書は、民権運動家たちの反政府の姿勢や挙兵計画にもかかわらず、開戦の報に触れてなお彼らが暴発せず、その後は言論活動へと転換した理由を実証的に明らかにし、暴力という手段の理論的位置付けを検証する。また、西郷・板垣をそれぞれ別の意味で高く評価した福沢諭吉の思惑と、彼の高知・立志学舎への支援や、これまで知られてこなかった鹿児島の民権運動家の戦前・戦後についても新たな光を当てる。 明治初期における反政府運動の思想と行動をたどり、西南戦争の知的インパクトと、自由民権運動が高揚していった背景を、歴史のなかに浮き彫りにする。 序 章 言論と武力の狭間で 第一章 明治六年政変後の「建白論」と「直接行動論」 ーー言論と武力の相剋ーー 一、 はしがき 二、 民選議院設立建白書と岩倉暗殺計画 三、 大教院放火事件 四、 むすび 第二章 戦時下の高知の民権家 ーー立志社挙兵計画から愛国社再興運動へーー 一、 はしがき 二、 西南戦争勃発と板垣・立志社 三、 京都での活動 四、 抵抗権思想 五、 立志社の挙兵計画 六、 島本仲道の運動 七、 戦局の転換と立志社 八、 その後の民権運動の展開と板垣逮捕説 九、 むすびーー反逆の思想ーー 第三章 戦時下の福沢諭吉の思想 ーー「自治」と「抵抗」をめぐってーー 一、 はしがき 二、 「自治の精神」 三、 「抵抗の精神」 四、 「自治」と「抵抗」の狭間で 五、 むすびーー民会論から国会論へーー 第四章 鹿児島の反戦思想 ーー戦時下の民権家とその活動ーー 一、 はしがき 二、 田中直哉の思想と行動 三、 柏田盛文の思想と行動 四、 戦後の活動ーー田中直哉の場合ーー 五、 むすび 第五章 旧私学校徒の民権運動 ーー戦後の鹿児島の民権家1-- 一、 はしがき 二、 三州社の設立 三、 三州社の活動 四、 むすび 第六章 旧反戦派・柏田盛文の思想と行動 ーー戦後の鹿児島の民権家2-- 一、 はしがき 二、 国会開設運動 三、 自由党から九州改進党へ 四、 県会議長、第四高等中学校長時代 五、 衆議院議員選挙 六、 教育行政 七、 地方行政と教科書疑獄 八、 むすび 補 章 戦時下の鹿児島県警察 ーー挙兵参画の論理と行動ーー 一、 はしがき 二、 戦争の開始と警部・巡査の参戦 三、 第四課の活動 四、 警部・巡査の廃止と東京警視出張所の設置 五、 むすびーー戦争参加者の処分ーー 終 章 二つの道 参考文献一覧 あとがき 人名索引
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