「幻の源氏物語絵巻」をもとめて : 十七世紀、絵巻の時代と古典復興

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「幻の源氏物語絵巻」をもとめて : 十七世紀、絵巻の時代と古典復興

佐野みどり/小嶋菜温子/高橋亨

思文閣出版

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内容紹介

「源氏絵」の歴史のなかでも際立つ個性を有している「幻の源氏物語絵巻」。黄金をふんだんに使用した豪華な造りに加え、他の源氏絵のパターンとは一風変わった場面選択が見られる点でも注目される。現在までに存在が確認されているのは20巻弱、完本で揃っていたとすれば、全体で200巻を超すものであった可能性がある。誰がどのような意図のもとで、このような絵巻を制作しようとしたのか。詞書染筆者の問題も含めて、江戸時代初期の文化史・政治史・経済史的な状況を見渡しての検証が必須となろう。日本文化史のミッシングリンクというべきこの豪華絵巻の謎に、豊富なカラー図版と国文学研究者・日本美術研究者15名の論文でもって迫る。 【図版編】 桐壺 上中下三巻(個人蔵) 帚木 一巻(部分、ニューヨーク・パブリックライブラリー スペンサー・コレクション蔵) 空蝉 残欠巻(石山寺蔵) 夕顔 断簡(個人蔵) 末摘花 上巻(石山寺蔵) 末摘花 中・下巻(部分、ニューヨーク・パブリックライブラリー スペンサー・コレクション蔵) 葵 六巻(京都国立博物館蔵) 葵 断簡「葬礼図」(メトロポリタン美術館蔵) 賢木 詞書(部分、個人蔵) 賢木 断簡(個人蔵/メトロポリタン美術館蔵)      【論文編】 [総論]「幻の源氏物語絵巻」と〈もののまぎれ〉-「注釈的絵画」にみる再創造と文学/美術史学の可能性(小嶋菜温子) 第一部 「幻の源氏物語絵巻」の復元にむけて 盛安本源氏物語絵巻(幻の源氏物語絵巻)再考(佐野みどり)    * 物語絵画としての盛安本源氏物語絵巻ー源氏物語の年立を通した一考察(エステル・ボエール) 「源氏物語絵巻」桐壺ー幻の「源氏物語絵巻」巻頭帖としての意義(吉川美穂) 京都国立博物館蔵「幻の源氏物語絵巻」葵からーメトロポリタン美術館蔵「葬礼図」の定位とあわせて(松岡知華)  バーク本「源氏物語絵巻」賢木巻断簡から(稲本万里子)  [コラム]「幻の源氏物語絵巻」の詞書と絵画化ー物語全文を書き写すことの意味(青木慎一) スペンサー・コレクション蔵 「幻の源氏物語絵巻」三巻(渡辺雅子) [特別寄稿]石山寺蔵 空蝉残欠巻の紹介 (田中水萌) 第二部 十七世紀、絵巻の時代と古典復興 九条家の源氏学と絵画(高橋亨)    * 「幻の源氏物語絵巻」の製作背景追考ー九条家・賀茂社家の人々とその環境をめぐって(海野圭介) 鹽竈神社蔵『絵詞 保元・平治』をひもとくー杉原盛安・杉原本と「保元・平治物語絵巻」(鈴木彰)  「幻の源氏物語絵巻」の「空蝉」-中世・近世の『源氏物語』享受とその展開(水谷隆之) 室町時代やまと絵と源氏絵の再生ー大画面の出現と土佐光信・光茂・光元による新展開(高岸輝) [コラム]近世絵巻の研究に向けて(若杉準治)    * [結び]本書の成果と今後の課題(高橋亨)

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