空白小説
氏田 雄介/小狐 裕介/水谷 健吾/小林 ラン
ワニブックス · 2022年4月22日
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内容紹介
シリーズ累計50万部突破! 『54字の物語』の著者が贈る 5分で読める49話 『空白小説』は、書き出しと結びの文だけがはじめから決まっているショートショート集です。 その間の空白をどう埋めるかで、物語は予想できない方向へと展開し、書き出しと結びのもつ意味は大きく変わります。 あなたは「空白」の展開を予想できますか? 〇吾輩は猫である → 名前はまだない 〇犯人はこの中にいる → 私がやりました 〇昔々あるところにおばあさんがいました → いつまでも幸せに暮らしました など ーーーー (本文より) 〇吾輩は猫である→名前はまだない 吾輩は猫である。誰よりも自由な猫である。 家の塀にひょいと飛び乗り、ふわぁとあくびをする。そこへひとりの少女がやってきた。少しだけ撫でさせてやろうと「にゃあ」と声をかける。しかし少女は「ひっ」と悲鳴をあげ、どこかへ逃げていった。 しばらくすると怪訝な顔をした人間の大人たちが集まってきた。あっという間に屈強な男たちに取り押さえられ、吾輩は眠らされてしまった。 目を覚ますと、吾輩は薬品の匂いのする部屋にいた。周りで白衣を着た男たちが首をかしげている。 「自分を猫だと思い込んでいるようです」 「見た目は中年の男だぞ」 「ですが実際に尻尾まで生えてきています」 「海外でも最近似たような症例が増えているとか」 「病名は?」 「発見されたばかりの病気だ。名前はまだない」 (『自由』より要約)
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