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近代市民社会の信仰と音楽 : オラトリオは「聖」か「俗」か
瀬尾文子
春風社 · 2023年3月
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内容紹介
キリスト役を一人の歌手が担うのは不遜なこと? 19世紀ドイツの市民社会において、オラトリオという「教会と歌劇場の間」で揺れ動くジャンルは、どのように変容したのか。メンデルスゾーン作《エリヤ》の楽曲分析などをもとに、宗教的な題材の芸術化、また、それを演奏するということについて一考を促す刺激的著作。 序ーー教会音楽の世俗化の論理を問う 【第一部】 第一章 オラトリオは教会音楽か?-- 一九世紀におけるジャンル概念の拡大 1.オラトリオ・ブームと議論の勃発 2.流行の要因ーーナショナリズムと教養主義 3.新ジャンル創設の意識 4.素材の問題 第二章 オラトリオの物語はいかに表すべきかーーオラトリオ論における詩の形式の議論 1.詩の三形式(エピック・リリック・ドラマチック) 2.オラトリオ論の流れーーリリックからドラマチックへ 3.エピック派の少なさと時代の趣向 4.趣向の変化の要因ーーリアリティおよびエンターテインメント性の追求 第三章 キリスト役は歌ってよいかーー聖なる存在の具象化の問題 1.ベートーヴェン《オリーヴ山のキリスト》(一八〇三年ヴィーン初演) 2.シュポーア《救世主の最期のとき》(一八三五年カッセル初演) 第四章 オラトリオは何を主題とすべきかーー崇高の表現への挑戦 1.「崇高」概念とオラトリオの関連 2.「最後の審判」オラトリオ二作品の概要 3.アーペルの作品構想と「崇高」概念 4.ロホリッツの作品構想と「崇高」概念 【第二部】 第五章 実際の演奏の場の宗教性ーーニーダーライン音楽祭の場合 1.一九世紀前半のドイツの音楽祭 2.ニーダーライン音楽祭の実態 3.ニーダーライン音楽祭が目指したもの 第六章 メンデルスゾーン《エリヤ》のドラマ・トゥルギーーー独自のエンターテインメント性の追求 1.作風の変化の理由 2.シュープリング宛書簡中の「ドラマチック」への言及 3.「ドラマチック」の内実の分析 4.根本主題「見えざる神の接近」 5.根本主題の意義ーーなぜ、「見えざる神の接近」だったか 結語ーー宗教と娯楽を両立させるドラマチック・オラトリオ 付録 《エリヤ》全体像
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