フッサール現象学批判 : 他人と私の間

人文・思想・社会

フッサール現象学批判 : 他人と私の間

村上勝三

知泉書館 · 2025年7月

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内容紹介

「現象学」とは何か。社会全体が混沌に向けて進んでいるように見えるとき,方法的基盤のない中で「現象学」は力をもつ。その思想の根底に,「私」の思うままに真実があるという思考の傾きが秘められているからである。フッサール現象学によれば,在るかどうか,真であるかどうか,善いかどうかの問いは,エゴである「私」の経験に依存する。 本書は,こうしたフッサール現象学に現出する,存在,真理,価値についての相対主義を,デカルト哲学を参照軸として,正面から批判する。 第1部「フッサール現象学の存在論的前提」は,『論理学研究』を主な素材にしながら,フッサール哲学の基盤をなす存在論的(論理的)思考を明らかにする。そのために『現象学の理念』,『イデーン1』,『イデーン2』,『イデーン3』,『形式的論理学と超越論的論理学』,『経験と判断』を主に参照する。こうしてフッサールの思索の底流に経験主義的認識説を見出す。 第2部「「超越」と「還元」」は,両概念を問題の基底におきながら,『デカルト的省察』から『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』まで,自我論を脱したと思うときに傲慢が生じる道程を追う。 現代の哲学的状況を問い続けてきた著者による,極めて相対主義的で利己主義的な現代社会の風潮に一石を投ずる哲学研究である。

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