人文・思想・社会
涙のカタログ
布施琳太郎
PARCO出版 · 2023年11月11日 · 112ページ
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内容紹介
現代社会の「孤独」を多彩な手法で表現する “アーティスト 布施琳太郎” が放つ、渾身の第1詩集 スマートフォン登場以降、つながり過剰の社会のなかで失われた、「孤独」や「二人であること」の回復をテーマに、執筆、絵画や映像作品制作、インスタレーション、ウェブサイトを駆使した展示、キュレーター活動ほか、多彩な発表を展開し、いま最も注目を集めるアーティスト布施琳太郎の初詩集。 2022年にPARCO MUSEUM TOKYOにて開催した展覧会「新しい死体」や2021年にSNOW Contemporaryで開催した展覧会「名前たちのキス」で発表された作品、雑誌『文學界』への寄稿作品「⿊より冷たい海のメディア」を再編集。さらに「涙」をテーマにした書き下ろしの新作多数を収録した全29篇。 カバーイラストは、コミック『惡の華』『おかえりアリス』『血の轍』など、人物の繊細な心理描写に定評がある押見修造氏が描き下ろし。布施琳太郎の熱烈なラブコールに呼応した本書の為の作品です。 装丁は、布施琳太郎との2人展「砂の本 THE BOOK OF ARENA」を開催中のデザイナー 八木幣二郎が担当しました。 「涙」。それは喜びと悲しみ、快楽と苦痛という相反する刺激に対する同一の生理反応。「涙」という現象を主題として、人間の中の矛盾や定義の出来ない曖昧さを訴求し、 「海」「死」「性」のモチーフへと広がりながら1冊の中で世界が映像的に交錯してゆく。 ーこれは「涙」のカタログです。このカタログは整理できなかった過去のためにあります。ひとつひとつが流れなかったかもしれない「涙」の一滴。 ーーー うれしくて泣く子どもを見たことはないけれど、あなたはうれしいときに涙を流す (「あらゆる年齢の子供達のためのパーソナルコンピュータ」より抜粋) うれしいとかなしいが ひとつになる 痛い、気持ちいい、 嫌い、吐きそう 愛してる、近づかないで すべてが等しい重量で まぶたに色をつける (「涙ー1」より抜粋) これは涙のカタログです。このカタログは整理できなかった過去のためにあります。諦めではありません。未整理のものたちに居場所を与えたい。涙の理由をひとつにしたくない。母の死因は落下でした。あなたの涙は、あなたのためだけに流してもいいのです。 (「涙ー1」より抜粋)
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