ところで軍国少女はどこへ行った

人文・思想・社会

ところで軍国少女はどこへ行った

本田 和子

ななみ書房 · 2019年4月15日 · 184ページ

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内容紹介

戦争がはじまったとき,少女は小学校低学年だった。工場動員は免れた。その代わり、校庭に薩摩芋を植えたり、人手不足の農家に農作業の手伝いに行かされたりした。その頃歌われた『学徒動員の歌』、すなわち、「君は鍬取れ、我は鎚、戦う道に二つなし」という戦時歌謡さながらであった。こんな歌に励まされ、お米や野菜を作ることは重要だと思っていたから、とにかく真面目に働いた。何しろ、この戦いは正しく、神州は不滅であると教え込まれていたから、どんなに敗け戦が続いても、日本が敗けるなどとは考えもしなかったのである。  こうした「戦争観」の中で、少女たちは「少国民」となり、「軍国少女」へと成長した。こうした「日本観」は、「皇国史観」に基づく「日本国史」の授業で、しっかりと形成されていた。それに、勇壮で覚えやすい戦時歌謡は、少女たちの心を揺さぶり、「正義のための聖なる戦い」を疑うこともなかったのである。  今,大人になった少女が「日本国史」と「戦時歌謡」を取り上げて、自分自身を語ってみようと考えたのは、こうした所似に他ならない。そして、このことは、「私」という一人の子どもの物語でありつつも、あの時代を生きた同世代の女たちにとっても、共有される物語に他ならない。

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