内容紹介
呼人は、なにかを寄せてしまう 動物や、虫や、植物、自然現象 だから、ひとつの場所にとどまらず、 旅をする 人とちがうこと、それでも隣りあって生きること 痛みと希望の連作短編集。 「呼人」とは、なにかを引き寄せる特殊体質。原因は不明でごく少数だが一定の割合で発現する。政府機関によって認定され、生活に制限がある。5人の呼人と、呼人に関わる人たちの姿から、社会の中で少数であること、そうした状況で生きるというのはどういうことか、を描く。 ::::::::::::::::::::::::::::::::: 「……真帆ってすごいね」 「なにが?」 「あたしの目の前で、自分は恵まれてるって、はっきりいうなんて」 真帆は首をかしげた。 「だってそうじゃない? くいなは自分で選んでないのに旅をしなくちゃいけなくて、わたしは旅をするかしないか、好きに選べる。それってわたしが恵まれてるってことだよね?」 (本文より) 1 スケッチブックと雨女 2 たんぽぽは悪 3 鹿の解体 4 小林さんの一日 5 男を寄せる 6 渡り鳥
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