認知科学講座3 心と社会
鈴木宏昭
東京大学出版会 · 2022年9月13日
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内容紹介
認知を状況、それを構成する他者、モノとの関係でとらえる 人間は社会という環境への適応を迫られ、その中で認知活動を行い、知性を育んでいる。一方、社会を構築し、変革する主体でもある。認知を個体の頭の中だけではなく、認知が行われる状況、それを構成する他者、モノとの関係でとらえようとする研究のアプローチは極めて多様である。行動実験、脳計測のような実験科学的なものもあれば、状況論、エスノメソドロジー、エスノグラフィーのような社会学由来のもの、さらには身体論をベースにした現象学的なものもある。また学習科学に代表される学びを引き出す環境のデザイン、ロボットなどの人工物との相互作用を通した構成論的アプローチもある。第3巻では、こうした多様なアプローチの成果をまとめ、社会的存在としての人間の姿を描き出す。 序 関係性の認知科学の多様性(鈴木宏昭) 第1章 社会的認知の発達と可塑性・多様性(千住 淳) 1 はじめに 2 社会的認知の生態学 3 社会的認知の発達と可塑性 4 社会的認知発達の多様性と自閉スペクトラム症 5 おわりに 第2章 認知と感情の文化差(石井敬子) 1 理論的枠組み 2 認知の文化差 3 感情の文化差 4 洋の東西を超えて──社会生態学的な要因による影響 5 今後の展開と可能性 第3章 状況論とポスト状況論 ──アクター・ネットワーク・セオリーとポスト資本主義の狭間で(香川秀太) 1 状況論の特徴と変遷 2 状況論の多様性 3 状況論・ANT とポスト資本主義論との間 4 資本主義とポスト資本主義の境界領域の探究へ 5 おわりに 第4章 日常生活場面の相互行為分析(高梨克也・坂井田瑠衣) 1 はじめに──認知科学の対象としての日常生活場面 2 相互行為分析の基盤──相互志向性 3 相互行為分析の核心──連鎖分析 4 相互行為分析の現在──マルチモーダル分析 5 相互行為分析の応用──フィールドワーク 6 「活動」を推測する──フィールド調査初期のコツ 7 フィールド調査の方法論としての活動概念 8 まとめ 第5章 協調学習を通した知識の転移(益川弘如) 1 人と社会の複雑な相互作用の蓄積と知識の転移 2 転移の難しさを示した先行研究とそこからの脱却 3 長期スパンの学習を踏まえた知識の転移 4 学ぶ力を引き出し高める協調学習 5 共同体の主体的なアイデア構築の実現 6 社会変革を目指す実践学としての展開へ 第6章 ヒューマンエージェントインタラクションと環境知能(小野哲雄) 1 HAIとは何か 2 HAIの研究方法 3 HAIにおけるインタラクションデザイン 4 次世代の認知科学へ向けて──HAIからの視点と貢献 5 おわりに 第7章 科学・身体・他者 ──哲学的観点から見た関係性の認知科学の可能性(長滝祥司) 1 テオーリア・テクノサイエンス・世界像 2 認知科学と客観性 3 認知科学とプラークシスの知 4 客観的身体と文脈的身体──ターミノロジーをめぐって 5 状況・意味理解・道徳的行為者
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