夜の声

夜の声

スティーヴン・ミルハウザー/柴田 元幸

白水社 · 2021年11月 · 219ページ

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内容紹介

耳をすませば、
声が聞こえてくる  人魚の死体が打ち寄せられた町の人々の熱狂と奇妙な憧れを描く「マーメイド・フィーバー」。夜中に階下の物音を聞きつけた妻が、隣で眠る夫を起こさずに泥棒を撃退しようとあれこれ煩悶する「妻と泥棒」。幽霊と共に生きる町を、奇異と自覚しつつもどこか誇らしげに語る「私たちの町の幽霊」。勝手知ったるはずの自分の町が開発熱でまるで迷宮のようになってしまう「近日開店」……。  ミルハウザーといえば、細部まで緻密な描写でリアルに感じられるが、決定的にどこか変という世界が特徴である。前作『ホーム・ラン』ではその想像力は外へ外へと広がり宇宙を感じさせたが、本書で印象的なのは、内に広がる内省的なもの。「夜の声」はそれが顕著な傑作。夜中に自分の名前を呼ぶ声を聞いた旧約聖書の少年の物語を軸に、“声”を待ちわびる、時空を超えた者たちの心のうちをたどる。じつはこの短篇の原題はA Voice in the Nightと単数だが、短篇集全体の原題はVoices in the Nightと複数。つまり、一篇一篇が「声」なのである。唯一無二の世界を生み出す名人が緻密な筆致、驚異の想像力で紡ぐ八篇の声に耳を傾けていただきたい。

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