内容紹介
人と人を結ぶ糸は永遠だ、って錯覚してしまうのはなぜだろう。 人々の消えゆく言葉と記憶を書き留める、 『砂丘律』『千夜曳獏』に続くコンセプチュアルな最新歌集。 戦争体験者への取材に基づく連作「つぐ」や、尾張藩主の御巡覧と伴走した「知多廻行録」(アートサイト名古屋城2024出展インスタレーション作品)を含む265首を収録。 【歌集より】 あなたは僕の幽霊に、僕はあなたの幽霊に、雪の手紙を書いていたんだ 言葉ってすっごく永く香るから いま潮風に手帳ふくらむ 伝えねば、否、伝わるような苦痛であってたまるかの、花、渡さねば 生き死にの平野の果ては玻璃の街、月の光をときんときんに散らして 橄欖樹(オリーヴ)の太さは雨の豊かさを ほろんだ竜はかなしかったね もう何も奪わないでくれ 震わせて真冬に洗うひまわり、造花の 君の名に海のあること 風力1、曇りの南の港に覚めて 港まで肩にもたれて ああ、僕ら海や言葉になりたかったんだな 装丁=名久井直子 川の章 そして深められ 距離の青い蝶 化石譚 ami.me号外戦記 Trans- 宝石商 とんぼの章 つぐ ほうきの章 繚乱 ブドゥルス村 那由他 はしごの章 知多廻行録 The Garden 星の章 想北譚 逢北譚 初出一覧 あとがき
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