いつか あなたを わすれても

いつか あなたを わすれても

桜木 紫乃/オザワ ミカ

集英社 · 2021年3月26日

登録している人
2
読了した人
2
レビュー
0

内容紹介

記憶という荷物を下ろし始めたさとちゃんは、ママのおかあさん。そして、わたしのおばあちゃん。おばあちゃんに忘れられてしまったママはこれまでの思い出の荷造りを始める。「あんしんしていいよ。これは、たいせつな、たいせつな、わたしたちのじゅんばん」。やがて訪れるお別れを前にして、ママからおばあちゃんへの、そしてわたしへの思いが語られる…。 直木賞作家・桜木紫乃による初の絵本。中央公論文芸賞を受賞した小説『家族じまい』に登場する人々のもう一つの物語。生まれ、育ち、そして子どもを生み育み、やがて老いていくこと、そのすべてが"たいせつなじゅんばん"だということがこの作品に描かれています。 おんなのこがおんなのひとになり、しあわせの階段を上がる時も、老いていろんなことを忘れていく時も、そのすべてがかけがえのないものだというメッセージが心に響きます。 【著者・桜木紫乃からのメッセージ】 母が、わたしの名前を忘れていることに気づいたとき、実はあまり悲しくなかったんです。ああそうか、とうとうきたか、という感じでした。不思議なほど、感情は揺れませんでした。思ったのは、ふたりが母と娘として半世紀かかって描いてきた絵に、ちゃんと余白が生まれて、完成が近づいてきたということでした。 この先、どんどんわたしを忘れてゆく母のことを考えながら、「家族じまい」という小説を書きました。絵本「いつか あなたを わすれても」は、小説からは漏れた、孫の視点で書いてみました。不要な言葉を取り払ってゆく作業のなかで、わたし自身が娘になったり孫になったり、いつか迎える老いた時間を眺めたり、ひとつ、女に生まれたことの答えを探す、よい時間を過ごせたと思います。 「おかあさん、わたしをわすれていいよ。わすれたほうが、さびしくないから。わすれたほうが、こわくないから」この言葉を、気持ちを、母に手渡したい。 その気持ちが、絵本というかたちになりました。 【著者略歴】 桜木紫乃〜北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。2007年、同作を収録した『氷平線』で単行本デビュー。2013年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞を受賞。近年の著書は『緋の河』、『家族じまい』(第15回中央公論文芸賞受賞)、『ブルース』(コミカライズ・もんでんあきこ共著)、初エッセイ集『おばんでございます』など。 オザワミカ〜愛知県出身。イラストレーター。書籍や雑誌のイラストや演劇の宣伝美術を主に手がける。2010年の漫画家・江口寿史氏との二人展「reply」など展示会活動多数。2019年リボーンアートフェスティバル青木俊直展ディレクター。フリーブックレット『BOOKMARK』イラストデザイン担当。

まだレビューはありません。最初のレビューを書いてみませんか。

みんなの引用・メモ

引用を残す

公開されている引用はまだありません。

関連書籍

この本を本棚に入れた人は、こんな本も

図書館で借りる