内容紹介
人間についての普遍的な原理を難しい言葉で記述するばかりが「哲学」ではない。書物に書かれている高尚な哲学ばかりが「哲学」ではない。ときに肉声のなかに、手紙のなかに、あるいは人知れぬ行為のなかに、真の哲学は宿っているーー。 祖国を離れ、ひとり異国の地でひたすらに歩いた作家・須賀敦子。強制収容所で絶望を目の当たりにしながら、人生の意味を深く問うた精神科医・フランクル。食に命をこめる料理研究家・辰巳芳子。震災や戦争に際して遺族に祈りを捧げた美智子皇后。 歩く、祈る、見る、聴く、喪う。「悲しみ」ともいうべき人生の場面で言葉を紡ぎ、ある哲学を体現した者たちの「生きる哲学」を、その行為のなかに読む。 序章 生きるーー言葉と出会うということ 1章 歩くーー須賀敦子の道 2章 彫るーー舟越保武の「かたち」が照らす光 3章 祈るーー原民喜の心願 4章 喪うーー『論語』の哀しみ 5章 聴くーー志村ふくみと呼びかける色 6章 見るーー堀辰雄と風が告げる訪れ 7章 待つーーリルケと詩が生まれるとき 8章 感じるーー神谷美恵子の静かな意思 9章 目覚めるーー寄り添うブッダ 10章 燃えるーー宮澤賢治と病身の妹トシ 11章 伝えるーーフランクルが問う人生の意味 12章 認めるーー辰巳芳子と「いのち」 13章 読むーー皇后と愛しみが架ける橋 終章 書くーー井筒俊彦と「生きる哲学」
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