内容紹介
第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋) 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。
レビュー
Goma❤︎Sio2026年5月3日
妻鹿さんを傷つけてしまったハタの苦悩も心から謝罪したい気持ちもヒシヒシ伝わった。無に取り憑かれ脳内ホルモンの中毒になり生き残れないかもしれないという不安から無への執着をやめられない男たちの話。その無は人それぞれなのだけれど登山とか飲む打つ買うより良き趣味に感じるが、そこは芥川賞臭がプンプンした生死への苦悩臭。繋がりをあえて断ちたい感覚。それは分かるが、芥川賞も男性っぽい話は久しぶり読んだ。
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