内容紹介
長く辛い不妊治療の末、自分たちの子を産めずに特別養子縁組という手段を選んだ夫婦。 中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い母。 それぞれの葛藤、人生を丹念に描いた、胸に迫る長編。 第147回直木賞、第15回本屋大賞の受賞作家が到達した新境地。 河瀬直美監督も推薦! このラストシーンはとてつもなく強いリアリティがある。「解説」より
レビュー
- ごろり
2026年6月12日
目頭が熱い
私も子ができなかった。 産婦人科の先生からは自然には無理だから体外受精を薦められた。妻と話し合い、あの先生にかかるぐらいなら2人で楽しく過ごそうと話し合った。 妻の顔も少し明るくなり、楽しくセックスしてたら子供ができた。だから少しだけ気持ちがわかる。 ただ、終始胸に引っ掛かりをかかえながら読み進めることとなった。 物語はプロセスが大切だと痛感させてくれる。読み進めるうち登場人物それぞれの心情を読み取ることができ、途中に感じていた引っ掛かりが取れていった。 何故「朝が来る」なのか。 読書中、「朝は来る」ではなく「朝が来る」とした理由はなんだろうと考えていた。読み終えると所々で朝が来ていた。 少し重たいストーリーなので万人に薦めないが、読み応えがある。記憶に残る本だと思う
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私が最初に抱いた感想は、「栗原さん、優しすぎるんじゃない?」という、少し子どもっぽいものでした。 私は自分自身が子どもを身ごもった経験がないこともあり、栗原さんの事が図々しく映るひかりさんには、正直あまり良い感情を抱けなかった。 けれど、栗原さん夫婦は朝斗くんを産んでくれたひかりさんのことをとても大切に思っている。 その姿を見て、「そうだよな」と。たとえ養子に出したとしても、その人がどれほど未熟で、周囲から見て問題のある人だったとしても、その子に出会えたのは、その子のお母さんが産んでくれたから。 まだ自分で人生を決めることもできない中学生。どれほど「育てたい」という強い意志があったとしても、大人たちの判断に従うしかない年齢で、愛しい我が子を産みながら、自分の手で育てることができない。その苦しみは、私には想像もできないほど大きなものだったと思う。「辛い」という言葉だけでは到底表しきれないと思う。 さらに追い打ちをかけるような周囲の冷たい視線や、その後に続く地獄のような日々。それでもひかりさんが朝斗くんを産んだことを後悔していると一言も言っていないことに、私はこの物語のすべてが詰まっているように感じた。 栗原さんのひかりさんへの感謝の気持ち、大切に思う気持ち、そしてそれを朝斗くんにきちんと伝えていること。それは、ひかりさんの選択や存在そのものを肯定しているように思えた。ひかりさんは決して間違ったのではなく、彼女を大切に思う家族(栗原さん一家)もいる。そのことが、これから先少しずつでもひかりさんに伝わっていけばいいなと思う。 そこの先どんな関係を築いていくのかは分からない。それでもきっと、朝斗くんへの深い愛にあふれた答えを見つけていくんだろうな。
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