
レビュー
喜劇?悲劇?
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おもしろすぎた。今まで読んだサガン作品とは少し雰囲気が違っていて新鮮だったけど、今のところ一番好きな作品かもしれない。 舞台は第二次世界大戦下。占領されたパリから脱出しようとする上流階級の男女4人組が、道中で敵軍の攻撃を受け、負傷した末に一人の青年に助けられる。彼の住む農村でしばらく生活することになるのだが、その日々が本当に愛おしい。 登場人物は誰もが個性豊かで、人間らしい弱さや身勝手さを抱えながらもどこか憎めない。そして何より、サガンが描く田舎の風景が驚くほど美しい。穏やかな時間が流れ、戦争中であることを忘れてしまいそうになるほどだった。 だからこそ、笑い合い、語り合い、少しずつ築かれていく日常を見れば見るほど、ラストの悲しみが胸に押し寄せてくる。戦争は人の命だけでなく、ささやかな幸せや未来までも容赦なく奪っていく。その残酷さを静かに、それでいて強烈に突きつけられた。 読み終えたあともしばらく余韻が消えず、戦争の理不尽さと、人と人が寄り添う時間の尊さについて考え続けてしまった。サガンの新たな魅力を知ることができた一冊。読んで本当によかった。
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