ソリティアおじさんがいた頃

ソリティアおじさんがいた頃

村司 侑

文藝春秋 · 2026年7月

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内容紹介

京都にある味噌製造会社につとめるわたし。ある冬の寒い朝、出勤すると社内のあちこちでささやかされる噂にになつかしい名前を聞く。 「亡くならはってん、黒野田さん」 かつてわたしが心のなかでこっそり「ソリティアおじさん」呼ばわりしていた人が死んだ。 「火事やってんて」 ひょんなことからソリティアおじさんの通夜に参列したわたしは、ずるずると交際の続く恋人、将来の見通しのたたない仕事、それぞれに踏ん切りをつけるためある決断を下す。 軽妙な京都弁で女性の内面を鮮やかに描き、誰にでもある変わらぬ日常におとずれる些細な変化こそが、人生の行き先を変える様を控えめに、けれど確かに物語る胸に染み入る傑作小説。 ソリティアのように無数の選択肢がある人生で、わたしが選んだ次の一手。クリアとなるか、手詰まりか。

  • かんろ(梓)

    2026年9月28日

    お葬式は生者のための儀式だ、と改めて思った。本書は、主人公・瑠奈が心の中で「ソリティアおじさん」と読んでいた同僚・黒野田さんが亡くなり、自分の人生を見つめ直す話。琴美さんのキャラが個人的に好み。葬儀で笑えないブラックジョークを口にしたのには少々閉口してしまったけれど。現在、私は本書の主人公と同年代だが、私生活も仕事も拙い面がある。けれども、本書を読んで「明日からも仕事や生活を頑張ろう!」と私に再び前を向く力をくれた一冊。

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