藤原仲麻呂政権の基礎的考察
木本好信
志学社 · 2021年4月5日 · 352ページ · 志学社選書 004
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内容紹介
わが国における律令官僚制政治は、その本格的導入をはかった藤原不比等の孫・仲麻呂に至り、いちおうの完成を見ることとなった。 仲麻呂政権は、聖武天皇亡きあと、孝謙天皇の即位後もなお実権を握り続けた光明皇太后の後ろ盾に基づいて成立したものであり、「光明皇太后・仲麻呂政権」とも言いうるものであった。 仲麻呂はさらに、独身女帝である孝謙天皇の後継として淳仁天皇を擁立することに成功し、「淳仁・仲麻呂政権」が成立する。 しかし、太上天皇となった孝謙と淳仁との対立が深まると、孝謙は天皇大権を淳仁から剥奪することを宣言し、仲麻呂は挽回を図るも滅亡に追い込まれる。 仲麻呂政権は、孝謙天皇の即位から数えて15年間に及ぶ。 本書では、仲麻呂政権の特質と、前後も含めた政治史を仔細に検討することで、「女帝の時代」であり「太上天皇の時代」でもある奈良朝における最大の問題である、「天皇専権」と「貴族専権」のせめぎ合いの実相を解明するものである。 高科書店より1993年に刊行され、ながらく入手困難となっていた論文集に、新たに書き下ろしを加えての復刊。 序論 古代天皇権力と貴族専権 ──孝謙太上天皇と藤原仲麻呂── 第一章 仲麻呂と孝謙上皇、淳仁天皇 第一節 仲麻呂と孝謙上皇、淳仁天皇 ──政治権力の推移と皇統・皇権── 第二節 仲麻呂と孝謙上皇、淳仁天皇補論 ──帝権分離宣言をめぐっての皇権・政治権力の推移── 第二章 仲麻呂と光明皇后 第一節 光明皇太后の襟懐 第二節 光明皇太后と政治権力 ──天皇大権の行使について── 第三章 仲麻呂と官人 第一節 仲麻呂政権下における南家の動向 ──乙麻呂と巨勢麻呂── 第二節 大和宿祢長岡の卒伝について 第四章 仲麻呂の民政 第一節 問民苦使発遣とその政治的背景 第二節 左右京尹設置とその政治的背景 第三節 平準署創設とその政治的背景 第四節 地方政策について ──国司と郡司の関係を通して── 第五章 仲麻呂と仏教 第一節 仲麻呂の仏教政策と僧綱 第二節 仲麻呂と鑒真 第三節 仲麻呂政権と法進 第四節 仲麻呂と写経 ──奉請経論からの考察── 第六章 仲麻呂と神祇 第一節 仲麻呂と宇佐八幡 第二節 仲麻呂の雄勝城造営と大神神社 ──雄勝城造営の意図と所在── 付論 第一節 授刀舎人再置に関する一考察 第二節 正倉院文書「人々進納銭注文」と橘夫人について 所謂「建部門参向者交名」について あとがき 旧版後の仲麻呂研究の動向 復刊にあたって 再刊のあとがき
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