冷たい校舎の時は止まる 下

冷たい校舎の時は止まる 下

辻村深月

講談社 · 2004年8月 · 283ページ

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    2026年7月8日

    真相が気になって急いで読んだ作品

    辻村深月さんといえば、私にとって「かがみの孤城」の印象が強く、それが初めて彼女を知った作品だった。「冷たい校舎の時は止まる」は、そんな思い出の作品にとてもよく似ていた。 学生ひとりひとりが抱える悩みを丁寧に描き、最後に畳み掛けるように伏線が回収されていく。読中はホラーチックな演出が多かったものの、華麗な伏線回収で頭の整理ができたからか、読後は割とすっきりした。 二日間で夢中になって読むことができたのは、「自殺したのは誰か」を中心としたさまざまな謎が提示されたことがいちばんの要因だと思う。広がり続ける風呂敷をどう包むのか、考えるほどページをめくる手が止まらず眠気に勝利した。 作者の名前がそのまま使われたキャラクターというのは正直割と推理にはノイズで、「辻村深月(作者)の作品=辻村深月(キャラクター)の精神世界」という考察から始まった。 読み進めていくうちに、こんなにも存在感のある「榊」という教師がこの出来事に関与していないわけがなくて、亡くなったのは榊なのでは?と、考えがとんちんかんな方向に向いたりした。 終盤にかけては、菅原がひとりずつと向き合う描写がやけに多く、それが気になっていた。とはいえ菅原が自殺したとは思えないし、深月が自殺したというのは想像に容易すぎるため、例の問題が提示された時にはもうなにも分からなくなっていた。 考えが及ばなかったのは、「自殺した人間=写真に写っていない8人目」だと無意識に結びつけて考えていたからだと思う。全く気づけなかった。鷹野博嗣にしても、実は名前をどう読むのかあまり考えず目で追っていたから、これもかなり驚いた。それに繋がるが、菅原の過去の話が一番読んでいて惹き込まれるものだった。ここは、必ず読み返すと思う。 そして、他の方の感想で言及されていた、「みんなが深月に甘すぎる」ということに関して。周囲が甘くなった要因は間違いなく春子の一件によるものが大きいだろう。そして鷹野にはヒロが亡くなった時に寄り添ってもらった恩が、昭彦には過去に深月のように危うかった友人を亡くしたトラウマがあり、彼らが特別寄り添っていた理由としても、納得いくものではあった。 けれど確かに分かる。友人だと思っていた人に傷つけられ、孤独感に苛まれたとき、支えてくれる別の友人たちがいた深月は本当に恵まれている。学級委員の繋がりは最後まで固かった。性別関係なく強固な絆に心から憧れた。そして、これは辻村深月の理想像が作品となっているのかもなと思った。

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